家族で考えよう

拝啓、ご両親様


激動の昭和を生き抜いてこられたことに尊敬申し上げます。

そしてこの豊かな日本を築いていただいたことを感謝いたします。

身の危険を感じることもなく歩ける街。スーパーに行けば余りある豊富な食材や衣料。

停電や断水もなく疫病の心配もない清潔な社会。

希望が持てない社会といわれますが、諸外国と比べると日本は本当にすばらしい国です。

 

とはいえ経済成長が止まり、終身雇用や賃金アップを期待できない状況は事実です。

昔のように「多少無理してもローンを組んで家を買えば、そのうち昇給して楽になる」という図式は

成り立たなくなってしまいました。

ご先祖様から受け継がれた土地があればまだしも、土地から購入して家を建てるなど、

今の若者には不可能といっても過言ではありません。

 

そこでお願いがあるのですが、ご両親様のお住まいをご子息様やお孫さまのために「収益型二世帯住宅」に

建て替えるご許可を頂けませんでしょうか。

いいえ、今すぐというわけではございません。私のレポートをご高覧いただき世の中の動きと照らし合わせ、

ご子息様と協議されて、ご納得がいかれた末のご判断でけっこうです。

 

自己紹介が遅れて恐縮ですが、私、一級建築士のMac安田と申します。

まったくの他人である私からこんなことを言われてご立腹かもしれませんが、たくさんのご家庭の設計に携わらせて頂いた経験と、私自身のずっしりとした体験から申し上げずにはいられませんでした。どうぞお許しくださいませ。

 


孫思い


できることなら今のうちに、丈夫で長持ちする家を建てて、代々使えるようにしておいてあげたいものですね。

屋根や外壁、構造体は特にしっかりつくって、200年くらいもつようにしておきましょう。

内装や設備だけメンテナンスしていけば、何年でも住み続けることができます。

 

このようなことは、欧州ではとっくの昔から行われてきました。

パリの大改造が完了したのは1870年ですから、今からちょうど150年前です。

美しい外観はそのままに、内装や設備だけが新しくなって住みやすくなっています。 


長く住める家の設計ポイント


 最近やっと日本でも「200年住宅構想」や「長期優良住宅」という意識がめばえてきました。その内容は

 

①構造強度にゆとりを持たせる

②断熱性能を高める

③メンテナンスしやすい構造にしておく

 

この3つですが、当社はもうひとつ加えて設計しています。

それは工事せずに間取り変更できる仕掛けです。