灼熱の太陽をカット その1

屋根における赤外線カット


夏の日射(太陽からの赤外線)は1kw/㎡と凄いエネルギーですから、まともに受けると熱射病になりかねません。

屋根は一日中強い日射を受けるので、屋根の日射をカットすることは夏の涼しさをつくる第一歩です。

 



 

屋根の日射カットは4つの防波堤で行います。

 

№1.屋根葺き材による赤外線の反射

№2.小屋裏の熱気を屋外へ放出

№3.アルミ泊による赤外線の反射

№4.断熱材による熱の侵入防止

 

 

冬季においては№4の断熱材がしっかり保温します。 夏は4つの防波堤、冬は1つとずいぶん差がありますが、屋根に対する夏の日はそれだけ強烈なのです。

もちろん№4の断熱材の能力はパリやロンドンとHeat20G2クラスとします。

 

 

外壁における赤外線カット


夏至の南面外壁の日射量は意外と少ないものです。

 

夏至の太陽は高度が高く、お昼前後はほとんど真上からさしますから意外と南の外壁面には当たらないのです。

逆に冬場は太陽高度が低く、お昼前後には南の外壁面をよく温めてくれます。

お正月ごろ、部屋の奥まで日差しが入ってポカポカするのでありがたいですね。

 

 

これは夏至における、北面の外壁にどれだけ日射が降り注ぐかを示したグラフです。

日の出から7時ごろまで、17時ごろから日の入りまでけっこう強い日射がありますね。

でも心配はいりません。太陽高度が低いので家が建て込んでいる都会では日射はほとんどないと思って良いでしょう。

ただし、家の北面に広い道路がある場合は少しの工夫が必要になります。

 

問題は東面と西面です。

このグラフは東面の外壁に当たる日射を示したものです。

(グラフの左右を反転したものが、西面のグラフになります)

 

 

西日はすべての人に嫌われておりますが、東日はあまり嫌われておりません。

日射の強さから言うと西日も東日も同じなのに、なぜ西日だけが嫌われるのでしょう。

それは西日が登場するタイミングです。

気温が上がりきった昼過ぎに、追い打ちを掛けるように登場するから嫌われるのです。

タイミングって大事ですね・・・

 

もしあなたの土地の東側に道路があったら、東面の外壁の断熱材の厚さを他の壁の1.5倍位にしておく必要があるでしょう。

まず、日射がない場合の保温力を基本にして断熱材ん種類と暑さを決め、日射が当たる箇所には割増し断熱を行いましょう。

もちろん「高日射反射塗装」も効果を発揮しますからぜひ採用してください。

 

 

窓の西日対策:外付けブラインド


ご存知のように、南面に深めの庇をつければ夏の日差しを防ぎ、冬には室内に日差しが入って暖かい。これを味方につけない手はありません。

しかし、西面や東面の赤外線コントロールはたいへん難しいです。

 

西日対策なし 西日がモロに入る (夏至)

「外付けブラインドは屋外で日射をカットするので有効」とものの本には書いてあるし、まったくその通りなので、いろいろ実験してみました。

まず水平ブラインドですが、太陽高度が低くなると素通しになってしまいます。

 

水平ブラインド 視界を確保すると日射も侵入してしまう (夏至)

 

つぎに縦型ブライドですが、夏の太陽の方位角は大きく変化するので、一定の時間帯には有効ですが、ほかの時間帯では無効となります。

 

 

上記のブラインドは「固定」で考えました。

太陽高度や方位角を検知して自動的に変化するブラインドも作れなくありませんが、シンプルで故障せずコストも抑えるのが私の方針ですから、固定としました。

 

シミュレーションを行って解ったのですがブラインドはローテクすぎます。

なぜなら、太陽から来る〔紫外線〕も〔可視光線〕も〔赤外線〕もまとめて通すか通さないかという2択だからです。

つまり、赤外線をカットしようとすると同時に視界も妨げられるわけです。

涼しい部屋を作ろうと思うと鬱陶しい部屋になる。これでは意味がありません。

 

しかも、窓を外側へ開こうと思っても、ブラインドにぶつかって開けません。

外に開く窓は、あとでお話する「風通し」に有効ですし、断熱力も気密力も引違窓いよりすぐれているので外せません。

よって、外付けブラインドは不採用とします。

 

 

窓の西日対策:機能付きガラス


では、西面と東面の赤外線コントロールはどのように行うと良いのでしょう。

ブラインドのシミュレーションで気づいたこと、〔可視光線〕と〔赤外線〕別々にコントロールできる素材を探すことです。

探してみるといろいろあるものですね。

 

まず、ガラスです。下図の左後グラフは各種ガラスの性能を示した表です。

下へいくほど赤外線をカットスする能力に優れています。

そして、右へいくほど可視光線を通過させる割合が大きく、室内は明るくなります。

 

 

Aはトリプルクールといって一般の高遮熱Low-Eガラスよりも赤外線をカットする力に優れています。そのかわり、おへやの明るさはやや暗くなりますが、西面と東面には絶対にこれを使うべきです。

気になるお値段ですが、ガラスの値段は水物であり、ガラスメーカーに対して力のある工務店ならLow-Eガラスとさしてかわりません。

 

また、一口に高遮熱Low-Eガラスといっても、B・C・Dと涼しさ重視のものと明るさ重視のものがありますので、お部屋の環境によって使い分けることが必要です。

ちなみに、このグラフでは触れていませんが、断熱力はA・B・C・Dは殆ど同じです。

 

 

窓の西日対策:機能付きカーテン


カーテンやさんは、ガラスメーカーほど技術面の裏付けがなく、けっこういい加減なことを言って売っているケースもあります。

が、ある程度の効果はあるので費用対効果として期待できます。

 

 

日射をどれだけカットできるかの試験は、日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の断熱性試験(赤外ランプ60℃法)で行います。

上の説明図から赤外線をどれだけカットできるかの試験であることは明らかですので、その数値を明示したカーテンはある程度の効果は期待できます。

 

逆に、お部屋の温度をどれだけキープできるかは、同じく日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の保温性試験(冷気法)にて行います。

 

 

説明図から明らかなように、対流と伝導をどれだけ食い止めるかの試験です。

ところが、こんなことを平気で謳っている業者もいるので気をつけてください。