心地よさのストライクゾーン

Hawaiiの心地よい気候の要素を整理してみましょう。

 

1.カラッとしているが、乾燥し過ぎない空気

2.適度な風が常に吹いている

3.熱帯夜がなく、夜間冷却が効く

 

ということになります。

それぞれについて解説させていただきます。

1.カラッとしているが、乾燥しすぎない空気



夏のハワイの空気に含まれる水分は17g/kgDAを越えることはまずありません。

17g/kgDAとは、1kgの乾燥空気に含まれる水分が17gであるという意味です。

それを相対湿度に言い換えると、もし気温が30℃なら61%、25℃なら83%ということになります。

思っていたほど湿度は低ない・・・とお感じになりませんか?

実はこれくらいがちょうど良いのです。

私は京都で日々計測していますが、心地良いと感じるのはこれくらいの数字の時です。

 


もしハワイで気温が34℃になれば、同じ17gの水分でも、相対湿度は49%ということになりますが、ホノルルではそこまで気温が上がることはまずありません。

ちなみにホノルルのウェザーレポートでは気温29℃、体感温度33℃などと表示されていますが、これは日射(太陽からの赤外線)を浴びた時の体感を示しています。

 

話を整理しますと、日本の気象台が示す「相対湿度」は、心地よさを示す尺度としてはあまり便利ではなく、露点温度22℃とか混合比17g/kgDAなどと示したほうがダイレクトに表現できます。ですからハワイでは露点温度で表示しています。

 

結論としては、露点温度が22℃(つまり混合比17g/kgDA)を上回らないことが、蒸し暑いと感じない上限です。

逆に私の体感では、露点温度13℃(つまり混合比9g/kgDA)を下回らないことが、喉を傷めない下限です。

 

 

2.適度な風が常に吹いている


お昼間は海から陸へ「海風」が吹き、夜は陸から海へ「陸風」が吹きます。

風の得度は5~6m/秒で、ちょうど良い風です。

ちなみに5~6m/秒とは、自転車に乗っていて感じる風です。

(5m/秒×60秒×60分=18.000m/時=18km/時)

 

 

日本の都会での風は、せいぜい1~2m/秒ですが、それでもずいぶん涼しく感じます。

それが5~6m/秒となると、日射で焼けた建物を冷却する能力をもつようになります。

ハワイは都市計画がしっかりしていて、高層ホテルと高層ホテルの間隔はずいぶん広く空いていて、風が通り抜けるのに役立シチュエーションが整っています。

 

そよ風が気持ち良いことは疑いの余地がありませんが、なぜ気持ちが良いのでしょう。

それは汗をかいたときに速やかに蒸散させてくれるからです。

人間は23.5℃をこえると発汗しだして、温度が上がるに連れてどんどん汗をかきますが、かいた汗がうまく蒸散しないと、肌がべっとりしてとても嫌な気分になります。

逆にサッと蒸散してくれると、「超気持ちイイ!」 となります。

「ハワイでは汗をかかない」と思い込んでいる人もいるくらい、ハワイではサッと汗が乾きます。

 

大事なことは、人間が主体となることです。

人間の機能が主体であって、それを補助してくれる環境がありがたいわけです。

逆に、汗をかかないほどエアコンで冷やされると嬉しくないのであります。

 

 

3.熱帯夜がなく、夜間冷却が効く


気象台の過去のデータから2015年7~8月の熱帯夜を調べると22日間ありました。

熱帯夜22日間のそれぞれの日における最低気温は平均27.7℃、湿度は78%でした。

これは暑いわ・・・

 

私たちMac研究所のスタッフ(自称、気候のソムリエ)によると、エアコン無しで事務仕事ができる限界は27℃です。

26℃台なら扇風機があればそれだけで充分です。

25℃台なら湿度が高くても低くてもそれほど気になりません。

25℃と27℃の差は数字の上ではたった2℃ですが、私たち人間はとても繊細かつヒ弱な生き物ですから、「2℃」はたいへん大きいな差なのです。

 

ホノルルでは夜間冷却がうまくいって、オープンエアのカフェなどの床や壁、天井の温度は早朝には25℃くらいまで冷えています。

夜間冷却とは、夜中に気温が下がって建物そのものが冷却されることを言います。

建物がコンクリートでできておれば、夜間冷却の効果が期待できます。 なぜならコンクリートは蓄熱力が大きく、適度な熱伝導率(人間と放射によるエクセルギーのやり取りができやすい熱伝導率≒1.5W/mK)を持っていますからです。

冷えたコンクリートが私達に涼しいエクセルギーのシャワーを与えてくれます。

 



涼しさが長持ちするためにはピロティに日射が届かないことが条件ですが、ベストな出来栄えはやはりロイヤル・ハワイアンのピロティでしょう。

なぜなら、建物に囲まれた中庭的ピロティは太陽からの日射が入りにくく、中庭に配した植物の葉が日射を跳ね返すとともに、木々の下草ををスプリンクラーで湿らせて気化熱を奪い、中庭の温度が上がらないように工夫しているからです。

 

この条件なら、気温が29℃で湿度が65%(露点温度22℃)で、風が1m以上あれば絶対に涼しいです。

絶対と言い切れるのは、私が365日、「気持ちいい!」と感じた時の温度と絶対湿度、そして周壁(ピロティの床・壁・天井の温度)と風速を記録しているからです。

まとめ


かぎりなく天国に近いハワイの気候と、地獄かと思うくらい蒸し暑い日本の夏とを比較してみましたが、数字的には僅かな差だということがわかりました。

逆に言えば今まで私たちが認識していた気温1℃、絶対湿度1g/KgDAという単位は大雑把すぎるともいえます。つまり人間は良くいえば繊細、悪く言えばヒ弱であります。

 

この章では「快適気候のストライクゾーン」を明確化して、最終目的である「ハワイの気候を創る」ことにつなげていきたいと思いますので、お付き合いのほど宜しくお願いいたします。