優雅な朝食


ひょんなことから約4か月間(2022425日~819日)ホテル暮らしをすることになりました。

自宅を3度建てて掴んだ家づくりのコツや裏技、ホテル暮らしから生まれた革命的なアイデアなど、為になるだけでなく、

私の人生を赤裸々に語る、愛と感動の物語です。


ホテル暮らしのメーンイベントは、なんといっても豪華な朝食です。

焼きたてのパンに固くないバターとマーマレードをたっぷり盛る。プレーンヨーグルトにはちみつをのっける。それを数種類のフルーツにかける。(節操がなくてすみません)

パンケーキにもはちみつを。グリーンサラダにベーコンをのっけて、イタリアンドレッシングをたーっぷり。スクランブルエッグにフライドポテト。コーンポタージュとミネストローネはレギュラーで、中華風卵スープなどは日替わり。果汁100%のオレンジジュース、グレープフルーツジュース、パイナップルジュース、そしてよく冷えたフレッシュミルク。

 

これだけ集めるのに3往復、テーブルがいっぱいになります。最後にホットコーヒーをおかわり3杯。朝のニュースを見ながらゆーっくり一時間かけて楽しむ。これはもう、貴族であります。

 こうしてホテル暮らしの一日が始まる・・・

と言いたいところですが、実はその前やることがあるのです。

妻は48才のころ若年性認知症にかかり、20年ほどかけて、とうとう赤ちゃんに戻ってしまったのです。

妻と一緒にシャワー室に入って、頭のてっぺんからつま先までしっかり、いや、ザーッと洗ってやることから始まります。

 

当ホテルのシャワー室は大理石貼りでゴージャス。しかも2人でゆっくり入れる広さで、上質なアメニティーもそろっているので快適です。とくにボディソープの匂いがいい。タオル類は毎日3セットずつもらうようにフロントにお願いしておきました。(追加料金なし。親切!)

ドライヤーで頭を乾かして、新しいおむつをつけたら、女房にっこり。シャンプーの匂いを振りまいていざレストランへ。

レストランは9時になると空くのでちょうどいいです。

 

スタッフの皆さんとも顔なじみになって、私たちが行くと「おはようございます!」といって、ひじ掛け椅子が隣どうしに並ぶテーブルに案内してくれます。というのは、左手で妻を抱いて右手で妻の口にスプーンを運ぶためです。それと私がビュッフェに通っている間、妻が椅子から滑り落ちるのを防ぐためです。

私が遠征中、妻がひょっこり立ち上がると私に知らせてくれる、とても親切なスタッフさんたちでした。 


ゴージャスな朝食を終えると、つぎは腹ごなしのお散歩です。

5月のうちはホテル前の並木道がとても気持ち良かったですが、6月になると蒸し暑くなり、雨も多くなったのでホテル内の廊下を散歩させていただくことにしました。食事がすんだ10時すぎにはゲストのチェックアウトがほぼ終わっているので、廊下はすいています。

クリーンスタッフさんたちとも親しくなりました。ベッドシーツの交換は、毎日はもったいないので3日に1回にしてもらって、室内清掃とタオル類と館内着の交換、ゴミ出しをしてもらいます。

 

廊下は長く、50m近くあるので一往復でほぼ100mです。その日の体調によって34往復歩きます。すると妻はいい具合に疲れて、目と体がとろ~っとして、手が暖かくなってきます。お眠です。館内着は作務衣スタイルでとても楽です。そのままベッドへ寝かせます。

 

さあ、これでひと段落。いよいよ私は本業にいそしみます。

近くのヨドバシカメラで買ったお気に入りのスピーカーで素晴らしい音質のBGMをかけて企画設計のスタートです。