音による振動がいったん建築本体に伝わってしまうと、それを減衰することは不可能です。
だから「指一本触れさせないぞっ!」という覚悟でつくっていかないと、取り返しのつかないことになります。
なので、建物の構造体(鉄骨・コンクリート)はすべて、防振ゴムとプラスターボード12.5㎜二重張りで囲いました。
防振ゴムは中高域の振動を減衰させる効果があり、安価でもあります。
この写真は、骨組みができたところ。
採用した防振ゴム。
防振ゴムがどの周波数帯でどれだけ効果があるかを究明したエビデンスはないものの、大林組技術研究所による大掛かりな実物実験「ボード天井による固体音防止に関する研究」によると、防振ゴムは費用対効果が優れているので、使わない手はない、とのこと。
この写真は、プラスターボード12.5㎜を二重張りしたところ。
プロの方ならお気づきかと思いますが、やけに小梁のピッチがせまいですよね。それは鉄筋コンクリートの床に剛性を持たせるためです。
鉄骨の梁と梁の間に、木造スタジオの梁がマトリョーシカよろしく複雑に組み合わさっていく設計になっています。もちろんそれぞれは絶対に触れてはなりません。触れたら最期。
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