防音スタジオに住む! マトリョーシカ遮音構造(1)


吉野石膏 耐火遮音界壁 A-2000-WIの片面(向こう側)を施工したところ。

向こうの部屋用のスタッド(柱)と、こちらの部屋用の柱を別々に建て、お互いの部屋に振動が伝わりにくくしている。

 

部屋の広さと遮音特性のせめぎあいのうえ、A-2000-WIを採用しました。

吉野石膏 耐火遮音界壁 A-2000-WIのこちら側を施工したところ。建物本体のコンクリート床との隙間が無いように、丁寧に埋めています。

 

しっかり埋めることは、火災の類焼防止の点からも、空気による音漏れ防止にも役立ちますが、ちょっと痛いのが、振動が構造体に伝わってしますことです。(音の回り込みと表現することが多いです)

左は、吉野石膏総合試験所の遮音実験室です。

音源室と受音室が別の建物になっていて、音の回り込みをなくしています。しかも、試験体(隣室との界壁)を取り付けるフレームも完全に独立した衝立になっています。

現実にこんな建物があるでしょうか? ひとつのビルの中にいくつもの住戸があるのが当たり前なのに・・・

A-2000-WIの場合、TLD55の性能があることになっていますが、それは吉野石膏の遮音実験室という現実離れした装置ではかっているわけです。

現実には遮音界壁から建築構造体に振動が伝わって、それが上下の住戸やお隣の部屋へ伝わっていきます。

振動が伝わるのは低音域です。なぜならバスドラムやエレキベースは、壁そのものを動かす力があるからです。さて、どうするか・・・