設計から施工まで、安全性と耐久性にこだわる浮床工事の舞台裏


浮床を作る前に、地震時の安全性を確保するために、ガードを設置する必要があります。浮床は、建物本体の床の上にグラスウールを敷いた後、鉄筋コンクリートの床を作りますが、巨大地震が発生すると浮床が動いてしまう可能性があります。

そこで、鉄筋コンクリートの床に少し立ち上がりを設けることにしました。これは、巨大地震が発生した際に、浮床が横滑りするのを防ぐための防波堤となります。もちろん、地震時の水平力に耐えるために、十分な剪断力を持たせるように設計しています。

コンクリートの床を支えるグラスウールは、硬すぎず柔らかすぎず、綿密な計算によって厳選されました。このグラスウールは、コンクリートの荷重でわずか2.5㎜沈む程度の固さであり、普通に人が立っても凹まない固さです。

また、赤・青・グレーのパイプは、水・湯・ガスの配管で、将来的に入れ替えが必要になった際に簡単に取り替えることができるよう、鞘管式に設計されています。

そのためR(半径)を大きく取り、鞘の中の古い配管を抜いて、新たな配管を入れれるようにしています。

浮床手前には、防振置床が配置され、キッチンやトイレなどの水回りの設備が取り付けられます。

写真は、私が出した指示書です。

現場では、タイムリーに指示を出さないと、作業の進行に支障が生じることがあります。そこで、私たちは現場定例会議を通じて、可能な限り早く指示を出すよう心がけています。これにより、工程の遅延を最小限に抑え、スムーズな工事の進行を実現しています。