生体への慢性的環境負荷を最小化する建築(エビデンス)



問題定義 : 人は、家の中で疲れている


仕事の疲れを癒すのが家。

そう思ってましたが、意外と家でエネルギーを消耗していることが分かりました。


原  因 : 温度ではなく、温度差(温度ムラ)


環境工学における《SET:新標準有効温度》や《PMV:予測平均温冷感申告》は、気温・湿度・気流・放射・代謝・着衣を考慮します。ところが但し書きに「温度や湿度などの分布が比較的均一な環境を扱う」と記載されています。

つまり現実に発生する部分的な気流、部分的放射によって不均一となった環境は扱わないのです。 

私は、医師と建築物理士との共同研究ににより、不快の原因は温度差(温度ムラ)によるものであることを突き止めました。


現象(冬): 頭熱足寒  


エアコンの設定温度を25℃にした場合、

エアコンからは40度近い温風が吹き出します。

窓際は8℃、床は12℃。

平均すると25℃?

そもそも平均するものではありません。(釈迦に説法で失礼)

 

人間の皮膚には数十万個の温度センサーがついていますが、

人体周囲の気温と壁や床の表面温度が大きく異なると、

「なんとなく落ち着かない、ザワザワした気分」

このように不快を感じるとき、人体は喜んでいないはずです。


現象(夏) :  放射熱 vs 冷風


天井や西日を浴びた壁は優に30℃を超えています。

 

エアコンを25℃に設定した場合、吹き出し口の温度は12℃くらいで、

それが体に直撃したとき20℃くらいです。

 

背中には30℃の放射熱をあびながら、顔や胸に20℃の冷風を浴びる。

 

しばらくは気持ち良いかもしれませんが、

長時間こんなチグハグが続くと体がダルくなる。

いわゆる冷房病です。


結果 : 自律神経の乱れ・慢性疲労・睡眠質低下・血圧変動


 項 目  結 論  エビデンスレベル  根拠・出典
 放射温度差(壁・窓・天井)  不快を引き起こす  強い  ASHRAE 55、ISO 7730
  上下温度差(足元‐頭)    不快・ストレス  強い  ASHRAE 55(垂直温度差制限)
 冷たい床  不快・局所冷却  強い  ISO 7730(床表面温度基準)
 低室温(特に冬)  血圧上昇  強い  World Health Organization
 室温の変動  睡血圧変動増加  中〜強  Smart Wellness Housing study(日本)
 温熱環境と睡眠  睡眠質低下  中  建築環境工学・睡眠研究レビュー
 温度差 → 自律神経  生理反応あり  中(間接)  寒冷暴露による区間神経活性(医学研究)
 温度差 → 慢性疲労  不明確  弱い  直接的エビデンス不足寒冷

解決定義 : 温度差をなくすこと


 ■ 設計指針(エビデンスベース)

  ・上下温度差を抑制(対流制御)

  ・床温度の確保(冷床回避)

  ・温度の時間変動を小さくする

 

■ 設計思想としてのまとめ

  ・ 快適性の本質は「空気温度」ではなく「空間の温度の均一性」

 

■ 最終整理

  ・ 「人は空気の中にいるのではなく、放射環境の中にいる」


設計指標 : 温度差±1℃以内


下のグラフは京都市内において私が設計監理した外断熱住宅における、2006年9月~11月の室内外温度差データです。

青い破線は外気温度。黒い実線が室内温度を示します。

まず9月のグラフをごらんください。

9月は寒暖差が大きく、1昼夜のうちに13℃程度の差がある日も存在しますが、室内温度は±0.2℃とすこぶる安定しています。

9月ですから、ある程度エアコンをONにしていたと考えられますが、従来の家の場合、エアコンのサーモがONになったときと、

OFFになったときの温度差は2℃程度あります。

下記は10月のデータです。10月は冷暖房は完全にOFFです。

室内温度は相変わらず安定していますが、特筆すべきは、室内温度が外気温度の平均値をとっていないことです。

その理由は、コンクリートの巨大な熱容量によるものです。

9月の暖かさをコンクリート内にキープして、10月に少しづつ放出するのです。

この効果が期待できる物質は、単に熱容量が大きいだけでなく、熱伝導率がやや低めであるが、低すぎないことが条件です。

建物の構造体であるコンクリートが、たまたまこのような特性を持っていたことが幸いしました。

下記は11月のグラフです。まだ暖房しておりません。

9月と10月の暖かさをキープしたコンクリートが熱放射を続けて、11月末日において室内温度を20℃にキープしております。

今一度、9月のグラフをご覧ください。

9月1日における室内気温は27℃です。そして11月末日が20℃。 その間90日かけて徐々に徐々に室内温度を下げてきたわけです。

これほど穏やかな室内気候があるでしょうか。寒暖差における体調不良とは程遠い室内気候です。


技術(手段) : 外断熱工法


日本の気候は朝夕の寒暖差や夏と冬の気温差が激しく、

体調を崩しがちです。

 

朝夕の温度差をなくし、季節の変わり目を穏やかにするための必須条件は2つです。

 

① 屋内外の温熱環境を遮断すること

② 巨大な熱容量の貯熱体があること(室内空気の約500倍)

 

この2つの必須条件を満たすのが、外断熱工法です。

 

単に断熱力を競うだけなら外断熱でも内断熱でも同じですが、

室内気候を穏やかにするために重要なのは、

巨大な貯熱体であるコンクリートを、赤外線反射層と断熱層で包み込むことです。

 

地球上のすべての地点の平均気温は15℃です。

外断熱工法で包み込まれた住環境は年間を通じて15℃です。

そこへ人体の代謝や家電からの発熱が加わりますが、

貯熱体であるコンクリートの熱容量は室内空気の熱容量の

約500倍ありますので、僅かなエネルギーの調整で、建物全体の熱安定化・放射環境の均質化を得ることができます。


本質1 : 建物全体の熱安定化


ここで少し、コンクリートの熱特性についてお話したいと思います。木材と鉄骨を比較対象に選びました。

 建築材料  比重

 比熱 kJ/(kg・k)

 熱伝導率 W/(m・k)
 水  1

 4.2

 0.6
 木材  0.5  1.5  0.1(熱の出し入れがほとんどできない:断熱材レベル)
 コンクリート  2.3

 0.9

 1.5(熱を適度に出し入れできる)

 鉄  7.8  0.5  70(超熱しやすく冷めやすい⇛火傷か氷結か)

木のベンチ座ると暖かいのは、お尻の熱が木に奪われないからです。

コンクリートのベンチに座ると冷たいのは、お尻の熱がコンクリートに奪われるからです。

もし、鉄のベンチがあったとしても、座る気さえしませんね。

水の比熱はすこぶる大きく、太平洋の真ん中に位置するハワイの気候が安定している要因のひとつになっています。

水の熱伝導率はそこそこなので《蓄熱体》として使えそうですが、大量の水を建物の中に置くと耐震的に極端に不利になります。

賢く構造計算をすると、コンクリート造は耐震力に優れ、火災に強く、しかも隙間ができにくいというメリットがあります。

よって《外断熱工法》との相性はコンクリートがベストなのです。

コンクリート造の外断熱工法では、コンクリートの熱容量が室内空気の熱容量の約500倍ありますので、

室内気温はすこぶる安定します。 


本質2 : 放射環境の均質化


《2006年9月~11月》の室内外気温データが示すように、外断熱工法の室内気温は時間単位ではなく月単位で推移するため、

床・壁・天井の温度は均質化されます。(太陽からの赤外線を完璧に遮断し、十分な断熱材で包み込むことが条件です)

また、太陽光が窓から室内に差し込むことを上手にコントロールする設計にしておく必要があります。

南面の窓に適度な出幅の庇を設けると、夏の日差しは室内に入らず、冬の日差しが室内に入るので簡単です。

東側と西側は窓の外に可動式ブラインドをつけて、巧みに調整する必要があります。 


結果 : 床・壁・天井・空気が同じ温度になる


一般に「暖かい空気は上昇する。冷たい空気は下へ溜まる」と言われますが、

そのまえになぜ、暖かい空気と冷たい空気がつくられるのでしょうか?

エアコンやファンヒータなどで空気を温めるからです。

また、冷たい窓ガラスや冷えた外壁の内面が冷気を作りコールドドラフトを発生させます。

私が設計する外断熱の家では、空気を温めたり冷やしたりしませんし、窓や外壁は高度な断熱性能を有しますので、

そもそも空気の温度ムラは起こりません。

上記の《放射環境の均質化》と相まって、床・壁・天井・空気の温度が同じになります。


証拠1:医学博士自邸(RC造)


外断熱住宅と健康 

 

社団育生会久野病院理事 

整形外科部長 医学博士 岩井宏次 

 

【はじめに】

母の家の引越しに伴い、平成15年に外断熱の住宅を京都に新築した。

私は医学的に考えて最も健康に良いと判断して工法を真の外断熱住宅(鉄筋コンクリート)にした。

その考え方と実際に5年間住んでみた感想を述べる。

 

【健康に関して】

私の家族は平成元年に新築した木造軸組み工法の住宅に、母は昭和56年に建てた重量鉄骨ALC住宅に住んでいた。

私の長男は小学生のときから小児気管支喘息とアトピー性皮膚炎を患っており、中学になっても改善しなかった。

阪神大震災で動いた箪笥の後ろの壁を見て、カビが広がっていることにショックを受けた。

和室の畳をはがして顕微鏡で観察し、動いているダニが多数見えたときにもショックを受けた。

長男の血液検査でダニの抗体が異常高値であった。

夏の暑い日に私が2階の自分の部屋に帰ってきたときに、目が痛くなることがあり、環境には大変興味を持った。

室内のホルマリン濃度を測定してみたところ、環境基準を超えていた。シックハウス症候群の典型例と考えた。

冬に風呂場やトイレで問題を起こして救急車で病院に運ばれてくる患者さんがかなりの数存在する。

例えば、脱衣室と浴室の急激な温度変化は、血管を著しく拡張または収縮させるため、血圧や脈拍を大きく変動させる。

これにより、脳梗塞、脳出血や心筋梗塞を引き起こす。いわゆるヒートショックと言われるものである。

また、冬の夜間に寒いトイレに行くときに厚い上着を着込むと、運動に負担がかかり転倒しやすくなり、骨折する確率が増える。

家とは災害や天候の変化から肉体的に守ってくれ、そのことから精神的にも休息が得られるべきものである。

自動車や飛行機など近代的な機械が生じる騒音が氾濫している状態では、精神的にも良い環境と考えることはできない。

以上の状況を考えたとき、真の外断熱住宅しか問題は解決できないと確信した。

 

【実際に住んだ感想】

長男と次男が自宅で卓球を2時間以上楽しんでも、長男に喘息が生じることがなくなった。

生活空間に繋がるところではカビの発生は今のところない。

また、壁面はコンクリートであり、内断熱材など複雑な層状構造が存在しないので、シックハウス症候群を生じる可能性は極めて少ないと考える。

冬は床下と壁のコンクリート内温水暖房であり、エアコンは原則として使用しない。

温度計は21.5度を示すように暖房機を調整している。23℃に設定すると暑くて生活できない。

各部屋の温度差は1度以内である。朝夕の温度差は0.2度以内である。

換気は十分に行っているため空気の温度はやや低いが、壁からの輻射熱で程よく暖かく感じる。

一般的にこの感覚は体験しないと解らないと思う。この心地よい暖かさは、何ものにも替えられないものである。

我が家では『木の温もり』ではなく『コンクリートの暖かさ』である。

トイレ使用時や浴室で着替えるときでも寒いと感じたことはない。

雪が降っている日にも、80歳の母は薄い長袖のシャツを腕まくりして生活している。

冬の寒い日に徒歩5分のスーパーまで出かけても寒いとは言わない。

赤外線表面温度計で母の足背の温度を調べているが、32から34℃と高めの値を示す。

外断熱住宅では寒く感じないため、四肢の血管が十分拡張しており、四肢抹消まで畜熱しているので、寒い外に出てもすぐには冷えないのだと考えられる。こんな環境ではヒートショックを発症するはずはない。

夏はエアコンで温度調整をしている。空気温と壁の温度はほぼ同じであるため、26度以下に冷やす必要はない。

27度に設定し、扇風機をゆるく使用しても心地よい。また足元が冷たくないのは良いことである。

湿度もコントロールしやすいので、心地よく感じるのだ思われる。

この感覚を設計士の安田氏は『ハワイの快適性』と言われている。

鉄筋コンクリートの室内は大変静かである。家の前を車が通っても気づかないことがある。

もちろん台風、火事、地震に対しても強い。

この安心感は日常の仕事で疲れて帰ってきたときの大きな安らぎになり、精神的な健康は肉体的な健康にも繋がると考える。

母は以前の家で年1回以上風邪のため高熱を出していた。外断熱で暮らして5年で1度しか高熱を出していない。

これは事実であり、なんら修飾はない。母親は大変喜んでいる。

外出の機会は以前に比して減っておらず、ウイルス被爆の機会は減少していないので、住宅環境に関係する可能性が十分ある。

 

【問題点】

冬の暖房暖房に関して床内と壁内の温度調整をするのに少しの忽がいる。

換気を正確にしなければ、思わぬところにカビが発生する。いくつか問題点はあるが、建築技術で十分にカバーできる。

これまでに根本的な問題点は出ていない。強いて言えば壁面が厚いため室内空間が狭くなることと初期投資が多くなることである。後者に関しては、毎月の光熱費が安く、10から15年で回収できそうである。

 

【まとめ】

肉体的、精神的に健康に良いこと、この上なく住み心地の良いことを考えると、鉄筋コンクリート外断熱住宅は大変価値のある住宅工法といえる。


証拠2 : 内科医院建築(S造)


医療法人社団 大真会 和久野医院

理事長 石川淳 

 

私は4年前に、書店で「プロが教える 建築費500万円を節約する賢い家造り」を手にして、初めてMac安田先生の存在を知り、

一昨年自家医院を設計して戴き外断熱工法で施工しました。

 

開院して、1年2か月が経過しましたが、思った以上に快適な心地良い空間で、診療しています。

今は真冬の2月で、私の居住する北陸の外気温は大体2℃~6℃くらいですが、早朝に医院の中に入ると、暖房がONされていないのに、ホワッとした温もりに体全体が包まれます。

その後エアコンをONにして室温を24℃で保つように設定しています。

医院の中、特に診察室の中では、我々医療従事者は長袖の白衣を纏ってますが、患者さんは常ずね脱衣の情況になるため、

暖かい室温の確保は医院にとって、必要条件の一つです。

 

又、従業員の職場環境を考慮しますと、私以外は全て女性スタッフなので、女性特有の足元の冷えに対しては充分に暖かさが保たれており、スタッフ一同喜んでおります。

外断熱工法の窓枠は、樹脂サッシュの為、従来の窓枠で多く使用されているアルミサッシュの水浸しの不快感は全く無く、いつもサラサラしています。

 

 私が先生の著書で二冊目として読んだのが「外断熱住宅はここが凄い」でした。

この著書のキャチフレーズは、「家の中にハワイの気候を実現しよう」でしたが、自院で労働していると、あながちそのキャチフレーズがオーバーでは無い事が、実感出来ます。

従来の工法に較べますと、外断熱工法は確かに建設費用に関しては、坪単価で約10万円程高価ですが、空間の快適さ・耐震・24時間換気・防音・光熱費・その他を考慮すれば、Mac安田先生が、命を賭して推奨する「外断熱工法」は非常に魅力的であり、

尚且つ外断熱の建造物の中で働ける幸せを、今まさに感じています。


証拠3:動物病院(W造)


<外断熱について>

 

さくら動物病院    院長    櫻井圭一

 

今回設計士の安田先生からのご依頼があり、外断熱についての原稿を書かせていただく事になりました。

設計や建築に関しては全くの素人でありまた文才もありませんが、実際に5年間ほど外断熱の建物で生活や仕事をしてみての感想を率直に書かせていただきたいと思います。

 

私は京都で動物病院を開業している獣医師です。

建物は木造二階建て、1階が動物病院、2階が自宅という構成になっており、1階は全面床暖房になっております。

寒い冬の朝病院に降りてきたときに、いつもやんわりと暖かいのが1番外断熱・床暖房の恩恵を感じる瞬間です。

受付で座っている事が多い病院のスタッフからも『足元が暖かくて冷えない』と非常に好評です。

冬場の院内は床暖房だけで、ほとんど他の暖房器具が必要になることはありません。

エアコン等と比べて屋内の空気があまり乾燥しないので、1日中仕事をしていても快適です。

また窓周辺の結露や結露によるカビもみられないので、健康面や衛生面でもメリットがあると思います。

 

また病院内には動物たちがたくさんいますので、発熱するヒーターやコードのある暖房器具は、火傷や感電の危険があるため使用には注意が必要です。その点外断熱・床暖房でしたらそういった器具を使用する必要がないので安心です。同じ事は小さな子供たちにとってもあてはまる部分が多く、我が家の子育ての力強い味方です。

 

動物たちは私たちと比べて、常に床に近いところで活動していますので、外断熱・床暖房の恩恵を1番感じているのではないかと思います。入院設備もありますが、病気の動物たちにとっても1日中やんわりと暖かい入院室は快適だと思います。

 

一方、夏の暑い日には屋外の熱を遮断してくれますし、冷房の効率がいいのも経済的です。

また外壁が厚くなるため、ある程度の遮音性があります。

動物病院ですので、入院中の動物の鳴き声が近隣にお住まいの方に迷惑になっていないか、とても気になるところです。

外断熱によってその防音効果が期待できるのもメリットの1つです。

 

外断熱や床暖房は、外から見ても一般の人にはわかりません。

しかし、実際に住んでみると、広い庭園や高級な家具に勝るとも劣らない満足が得られると思います。


エビデンス : エクセルギーと環境の理論(宿谷昌典:東京都市大学院環境情報学研究科教授)


外断熱の建物に入った一般人に感想を聞くと、つぎのような回答がありました。

「なにかに包まれたような安心感を感じる」

「なんとなく空気がきれいな気がする」

「体が軽くなる気がする」

 

実際に外断熱の家や医院で生活した医師からの感想は上述のとおりです。

しかしこれらはあくまで感覚であり、私はエイデンスを見つけることができませんでした。

ところがすでに、2004年8月にエクセルギーと環境の理論》が宿谷昌典教授によって発表されていたのです。


《エクセルギーと環境の理論》 第2章:建築環境システム 第3:体温調節システム 

(改訂版p76~80を、ほぼそのまま引用させて頂きます)

 

人体内部のエクセルギー沸き出しとは、飲食によって取り込まれたグルコースの中に、化学的に蓄えられたエクセルギーが細胞活動のために消費された結果として生み出される温エクセルギーを意味する。

私たちの身体は、室内空気に直接取り囲まれ、その外側に建築環境空間を構成する窓や壁・床・天井がある。

室内の空気温度と窓や壁などの温度は一般的に異なるから、これらのことを反映した人体エクセルギーの収支を考えたい。


 縦軸は窓や壁・床・天井の平均温度(周壁温度)であり、

横軸は人体周囲の空気音(室内空気温)である。

縞模様の線軍はすべて、人体のエクセルギー消費である。

地図でよくみられるような等高線をイメージして頂きたい。

等高線は、三次元である地形の起伏を二次元で表現するものである。人体のエクセルギー消費を示す線軍も、地図の等高線と同様にして読み取ることができる。

左上から右下にわたって斜めにひかれている太線は、体内における代謝熱量が、体表面からの放熱量とちょうど釣り合う場合の周壁平均温と空気音の組み合わせを示したものである。

たとえばこの太線上にある《周壁平均温15℃・空気温28℃》の建築環境と、《周壁温25℃・空気温18℃》の建築環境とでは、放射で放出される熱エネルギーと対流で放出される熱エネルギーの割合に違いはあるが、その合計と体内における代謝熱量とは釣り合う。

エクセルギー消費の等高線をよく見ると、エクセルギー消費が最小になるのは、周壁平均温が25℃で空気温が18℃の場合で、エクセルギー消費は約2.5W/㎡である。これは、暖房で空気を加熱するよりも周囲の壁・床などを温めるほうが、人体のエクセルギー消費を小さくできることを示している。

以上のことから、人体のエクセルギー消費を小さくするのに、建築外皮の断熱がいかに重要であるかが良くわかる。

また、床暖房などのように周壁を直接的に温める放射式暖房のほうが、空気を温める対流式暖房よりも快適だといわれてきたのが何故なのかもよくわかる。人体のエクセルギー収支は、温熱的な快適性とは何かについて、エネルギー概念に基づく御礼間指標を良く保管している。高断熱は一般的に省エネのためと考えられがちだが、人体のエクセルギー消費を小さくし、快適な建築環境を形成することがまず重要なのである。


弊社が創る住空間における人体のエクセルギーの消費量は2.65W/㎡であり、従来の家のそれは3.2W/㎡ですから、単純計算ですが、人体のエクセルギー消費が約20%少なくて済みます。このことが「楽」「心地よさ」「安心感」につながるものといって過言ではないでしょう。


設計者の自宅(1階:RC造 2,3階:W造)


上記の医師と同じころ、私も自宅を建てました。余談ですが、3度目の自宅です。

もちろん外断熱工法を選びました。というか外断熱工法の実験棟を建てたかったから、まだ築16年の家を売却したのです。

実験棟は1階をコンクリート造、2・3階を木造にしました。両方の住い心地を体感、比較するためです。

あたりまえのことですが、コンクリート造は圧倒的に安定した室内気候を示しました。

たとえば、2006年5月1日(快晴)

犬たちの早朝散歩の帰り、玄関に入るとホワーッと暖かいのです。

日が落ちるころ、自転車で汗をかきながら帰宅して玄関に入ると、スーッと汗が引きました。

もちろん冷暖房はOFFです。

あとで調べてみるとその日の最低気温は13.9℃。最高気温は29.0℃、平均気温は21.9℃です。

1階部分(コンクリート造)は、昼夜を通して平均気温を保っていたのです。

それに比べて、2階と3階(木造)は、外気温の影響を受けます。

とくに3階部分には屋根があるので、影響は2階にくらべてやや大きいです。 


体験していないことは提案しません


自分が体験していないことは、人に勧めません。

この、ごく基本的なことを守らない設計者が多いことを嘆いています。

大切な人様のご自宅や医院を設計させて頂くにあたって、まず自分が治験者にならなくてどうするのでしょうか。

かつて、「3度家を建てて初めて満足できる」と言われましたが、私はあなたに代わって3度も家を建てました。

あなたには1度で成功して頂きます。


Mac研究所モデル : 人体への負荷低減 ・回復できる環境 ・長寿命構造


申し遅れましたが、Macの意味を説明させてください。

Mはマネジメント。Aはアーキテクト。Cはコンフォート。

「費用対効果を考えつつ、居心地のよい建築を創る」 

 

Mac研究所を設立した1985年はバブルの真っただ中。地味な私共より、奇抜なデザインの建築家が脚光をあびた時代です。

20世紀も終わりに近づいたころ、世の中はやっと落ち着き《外断熱工法》が市民権をえました。

ところが外断熱工法の特徴は「省エネ・結露しない・カビやダニが発生しにくい」と説明されていました。

しかし札幌の講義室(外断熱工法)で、私が感じたことは「体が楽だ!」ということでした。

それからというもの、24時間ずっと「体が楽なのはなぜか?」という疑問が頭から離れませんでした。

 

その疑問が解けないまま、数名のお医者様から問い合わせを頂きました。

現状を正直に伝えたところ、「実は私もそう直感したんだよ。一緒に実験していこう!」と自ら治験者になって頂けたのです。

私は深い感謝と同時に、使命を再確認した次第です。

その後、仮説 ⇛ 実施 ⇛ 体感&測定 ⇛ フィードバック をくりかえして現在に至っています。

その間に宿谷昌典教授の《エクセルギーと環境の理論》と出会い、エビデンスをえました。

 

最後にもうひとつ、お伝えしたいことがございます。

長寿命化するのは人体だけではありません。建物そのものが確実に長寿命化します。

 

理由① 構造体であるコンクリートが紫外線にさらされない。同時に酸化しにくい。

  ② 温度変化による繰返し伸縮疲労がほぼゼロ

 

いちど建てたものを末永く使う。これこそが最善の地球環境への取り組みではないでしょうか。


お勧めしたい方 : 内科医・外科医・精神科医・獣医師 各位殿


なぜ、お医者様にお勧めしたいか、その理由を単刀直入に申し上げます。

「ご理解いただけるからです」

《直感》としてご理解いただける方だけに提供したい技術であるからです。

 


哲学 : 人生は一度きり ・時間とエクセルギーは有限 ・住環境で消耗している ・消耗を緩和する家を設計する


人生は一度きりです。

与えられた時間とエクセルギーは有限です。

そのエクセルギーが住環境によってムダに消費されています。

私は、人生の消耗を減らす建築を設計しています。

それこそが、私に与えられた使命と信じております。

ご賛同いただける先生方、どうぞ私にお問い合わせくださいませ。

 

                Mac建築デザイン研究所 代表 安田昌弘


しつこく営業いたしませんので、ご安心ください