スタジオ設計(4)


今回のスタジオの設計でいちばん苦労するのが、鉄骨とコンクリートでできた建物の中に、木造のスタジオを入れ込むことです。

上の図の左端をご覧ください。鉄の梁と木の梁が交互に、触れ合わないように入れ子になっています。

鉄の梁を吸音材と遮音材で包みます。遮音材は鉄の梁に防振ゴムを介して取り付けます。

木造のスタジオは、建物本体と一切触れないように浮いた状態で仕上げます。

木造のスタジオは、約910ピッチの縦柱と横柱の格子状でできています。

それぞれのマスに、遮音パネル(Lock)と、主に低音を吸音しながら遮音するパネル(Trap)をバランスよく配置していきます。

Lockの前面にはフラットパネル(反射)、Trapの前面には6度傾斜のあるウェブを取り付けます。

6度の傾斜があるのは、フラッターエコーを防ぐ為です。

天井はすべてウェブ+Trapを使用します。