タクシーの運転手さんに戒告を受ける

 

 

私の本業は一級建築士として宿泊施設などを設計している傍ら、アンテナショップとして小さな宿泊施設を運営しております。

今日もタクシーの運転手さんから、 「おたくとこ行きたいんやけど、道教えて」  と電話がありました。

 

私はあらかじめ、ゲストに完璧な道案内をメール添付で送っています。

日本語と英語の住所はもちろん、京都駅のバス乗り場とバスナンバー、最寄りのバス停を降りてから施設までの道案内(グーグルマップ)と

ストリートヴュー。  さらにタクシーの運転手さんに見せると確実にわかる京都ならではの道順説明。

「これを運転手さんに見せてください」 とゲストに伝えてあります。  そして、万一のために私のケイタイ番号。

 

でもいきなり、ケイタイに電話が・・・

 

私は、いかにもめんどくさそうに電話応対しました。 (内心、それ見てもわからんタクシー運転手は失格!)

そしたらタクシーの運転手さん 「そんな言い方ないやろ!! 道わからへんから訊いてるだけやろ!!」 とエライ剣幕。

 

タクシーから運転手さんが降りてきて、 「あんたの言い方、なんやねん!」 と対応次第では私の胸ぐらをつかもうかという勢い。

いっそのこと手を出されたら、それはそれで面白いとナンバーを暗記しながら聞いていたところ、

徐々に運転手さんのプロ意識が伝わってくるではありませんか。 

 

「お互いに商売やってんねんから、ちゃんとせなあかん!」

要するに 「お客さんを安全確実に送り届けるのが俺の仕事、お客さんをスムーズに受け入れるのがあんたの仕事。

だからお互い気持ちよく協力すべき」 というわけです。

 

私はなるほどと納得して素直に誤りました。 「すみませんでした。これからしっかり道案内します」

タクシーが去ってからゲストをお部屋に案内して、ウェルカムトークをして、自分の部屋に入って考えました。

 

私は一級建築士であり、常日頃 「先生」 と呼ばれていて、知らず知らずのうちに上から目線になっていたのです。

ありがちなことですが、自分だけは違うと思っていました。

そしてお恥ずかしい話ですが、相手の職業によって自分の中でランク付けしていたのも事実です。

医者は偉いとか、 タクシーの運転手さんはどうとか・・・ 

 

でも違いました。 重要なのはプロ意識です。

医者であってもプロ意識がない人はダメで、掃除のおばちゃんでもプロ意識がすごい人は達人です。

そういえば、たしか 「仕事の流儀」 という番組にお掃除おばちゃんが出てたことを思い出しました。

私はそれを見て感動していたのに、 結局、解かっていなかったのですね。

 

この正月は、そのことを、身をもって解らせてくれたタクシーの運転手さんと出会いがありました。

 

ありがとう。

 

 


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