賃貸マンション業界の実態

 

数字だけ見ると、完全な供給過剰ですが・・・


賃貸マンション経営が、競争のない未開拓市場である理由を申し上げます。 

私は、大手企業の「賃貸マンション完成披露会」があればたいてい見に行きますが、いつも安心して帰ってきます。

なぜなら昭和時代からぜんぜん進歩していないからです。30年ほど前に私が設計事務所に勤めていたころの設計の方がまだマシです。

この写真をご覧ください。いいえ、昔の写真ではありません。2014年に新築された某パレスです。実はこのインテリアは昭和時代に流行ったものです。

まことに貧乏臭いインテリア わびしくなる


競争相手が弱いことを知って安心すると同時に、気の毒な気持ちになります。

だれが気の毒なのか?

もちろん賃貸マンションの事業主です。

昭和の匂いがプンプンする古~い設計でデビューさせられて、これから先30年間もずっとローンを負わされるのか・・・と思うと気の毒になるのです。

 

介護施設を思わせるインテリア

ほんとうに気の毒ですね。なのに2015年も旧型のマンションが続々とデビューします。

 

なぜ、こんなことが起こるのか?


なぜ、こんなことが起こるのでしょうか? 

それは事業主が、一括借上のシステム会社に丸投げするからです。

賃貸マンション事業は小さくても数千万円、一般には何億円もする大事業であり、一生一代の命がけの事業です。

なのに事業主が何も考えず、寄らば大樹の陰とやらで、「一括借り上げ」「家賃保証」の口車にのってしまうからです。

ダイワ一括借り上げ:事業主と入居者が隔離されている

この図をご覧ください。

事業主と入居者がもっとも遠い位置に隔離されています。

本来、事業主は入居者に寄り添い、入居者のことを敏感に感じて経営していかないといけません。

なのに、この構図では入居者のニーズがまったく伝わってこず、大本営発表のように耳障りの良い情報だけ伝えられ、ある日突然、玉音放送を聞かされることになります。

ちなみに大本営発表とは、太平洋戦争末期の敗色が濃厚になるにつれて、さも戦況が有利であるかのような虚偽の情報を流したことを言います。

玉音放送とは、太平洋戦争における日本の降伏を天皇の肉声で国民に伝えたことを指します。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・」

一括借上や家賃保証がどれだけ危険か、「自分で登記.com」さんの「30年一括借り上げ サブリース デメリット 裁判」の記事をじっくりご覧ください。

 

一括借上や家賃保証のシステム会社と契約することは、商品力で勝負せず、保険をかけて安心しているような状態です。

ところがいざという時に保険は役に立たず、とつぜん玉音放送を聞かされるはめになるのです。 

「自分で登記.com」さんの記事を読むと、「一括借り上げを依頼する人なんて、未だにいるの?」と思いますが、実際かなりの割合で依頼されているようです。





だから意外と、ブルーオーシャンなんです!


一括借り上げのシステム会社は「どう立ち回れば契約が取れるか」ただそれだけを日夜研究し、巨額の宣伝費をかけ、古家やガレージを見つけると軒並み営業をかけます。

それに比べて建築家は、アトリエで美しい建築空間の思いにふけっている、いわゆる引きこもりです。

 

その結果、時代遅れの賃貸マンションが今後も増えつづけることになります。

 

さて、話を冒頭の「空室率20%」に戻します。

「空室率20%」とは、賃貸マンションが100戸あれば20戸は空室だということですね。

一見きびしそうですが、よーく考えてみると「100人で競争して80位までなら合格」という、ゆる~いレースなのです。

しかも、かなりの割合の賃貸マンションは「一括借上げ」に頼っていて、入居者のことなんかぜ~んぜん考えていません。

言い換えれば、真面目に走っていないわけです。

そんなレースですから、真剣にとりくめば80位までに入れないわけがありません。

真面目に走っている人は少ない

大丈夫です。まじめに取り組めば必ず勝ちます! 

入居者の身になって真剣に設計すれば必ず満室になります。

実際、私が設計した賃貸マンションはすべて満室です。

もちろん、一括借上やサブリースなど一度も使ったことはありません。

ではぼちぼち、どんな点に工夫すれば満室にできるのか、具体的にお話していきたいと思います。

 

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