入居者のことを良く知る

間違った認識を改めよう!


大間違い① : 一戸建てや分譲マンションを買えない人が賃貸マンションに住むのだ

大間違い② : 分譲マンションは上等の仕上げるが、賃貸マンションは安物で良い

 

今でも、このように思い込んでいる人は多いようですが、大きな間違いです。

賃貸マンションと分譲マンションの両方を扱っていて、大手ポータルサイトを運営しているアットホームさんのアンケートをご覧ください。

賃貸派と持ち家派についてのアンケートです。

 

 

 

アンケートが示す通り、賃貸派の世帯年収は753万円で、持ち家派は772万円とほとんどかわりません。

賃貸派は 「住み替えやすい、災害やローンのリスクが少ない、気楽(購入は面倒)、維持管理が楽」 という点を主張します。

逆に持ち家派は 「資産になる、自由にできる(内装など)、所有する安心感、家賃がもったいない」 という点に価値を感じているようです。

つまり、価値観の違いというわけです。

 

賃貸派の理由の5番目に 「購入資金がない」 とありますが、この理由は他のアンケートで明らかになるのですが、「親からの資金援助がない」

ということだと理解して差し支えないと思います。

逆に、持ち家派の理由の4番め 「音など周りに気を使わない」 というのは、あくまで一戸建てを想定しているわけです。

 

繰り返しになりますが、賃貸派と持ち家派は価値観の相違であり、所得格差ではないということです。

ちなみに、アンケートの6位以下に、 「転勤がある」 という理由もありました。

たしかに転勤があると、家を買うことができませんね。

 


持ち家派は、何歳くらいで家を買うのか?


けっこう年収の多い賃貸派が存在することがわかりました。賃貸マンション経営をお考えの方にとっては心強いですね。

さて、持ち家派は何歳くらいになったら家を買うのでしょうか。

参考になる資料があります。

 

住宅取得年齢 国土交通省 平成29年度住宅市場動向調査)


 

これは国土交通省の平成29年度の住宅市場動向調査です。

赤い枠で囲ったところが30代です。まあ、住宅ローンのことを考えると、30代後半か40代前半には自分の家を持ちたいですよね。

でないと、定年までの期間が短くなって、毎月の返済額が多くなるからです。

もちろん、理由はそれだけではありません。

人生計画が決まっていない段階では家を買う気にはなれないと思います。

たとえば、結婚が決まっていない。

転勤があるかもしれないなど・・・

 

まとめますと、賃貸マンションは賃貸派のための住まいであると同時に、持ち家派であっても20代後半と30代前半入居者として狙える

ということです。

 

入居者の年収は?


マンション経営を考えるとき、真っ先に知りたいのが入居者の懐ぐあいですね。

この図は、年齢別、男女別の年収分布図です。

感想はいかがですか?

予測通りでしたか?

それにしても、人によって随分差が出るものですね。

ご存知のように、世の中はどんどん二極化していきます。30才前後の人で年収600~700万円も稼いでいる人もいれば、300万円台の人もたくさんいます。

 

 

入居者のターゲットは 「20代後半から30代前半で、そこそこ稼いでいる人」 です。

それには2種類あって 「1人でかなり稼ぐ人」 と 「2人合わせてそこそこ稼ぐ人」 ということになります。

では、つぎのグラフをごらんください。  これは「世帯別の年収」です。

 

世帯別の年収とは、一家庭で複数の人が所得がある場合、その合計のことです。

なぜ私が、世帯別の年収を調べたかというと、一般的なカップルがどれくら稼いでいるかを知りたかったのです。

 

 

このグラフは厚生労働省が調査した 「年齢別、1世帯当たりの年収」 です。

さきほどもお話したように、賃貸マンションの入居者ターゲットは20代後半から30代前半の人ですから、そこを重点的にみていきましょう。

 

20代の1世帯当たりの年収は301万円なのに対して、30代は551万円です。

20代から30代にかけてこれほど年収が伸びるでしょうか?

いいえそうではなく、30代の家庭には稼ぎ手が2人存在することを示しているのです。

つまり、30代のカップルの所得の合計が551万円である、という意味です。

この551万円という数字はマンションの家賃を決定する根拠になりますから覚えといてくださいね。

 

さて29才以下の世帯の話しですが、このグラフを見て何かおかしくないですか?

29歳以下なのに、世帯の人数がほぼ2人もいることになります。(301÷163=1.8人)

しかも、2人の所得の合計が301万円。これは何かの間違いではないか?

さっそく厚生労働省へ電話して聞きますと、 「若い人が世帯主となって働いて、親を見ていらっしゃる家庭」 がけっこうあるので、

このようなグラフになるのだそうです。

私が思っている以上に真面目で優しい若者がいらっしゃるのですね。

感心すると同時に、ちょっと反省しました。

 

 

収入に対して、払える家賃は?


 

さて、入居者としてターゲットとすべき層の平均年収は551万円です。

この数字を1人で稼いでいる人と、2人で力を合わせて稼いでいる人がいるわけです。

ちなみに、冒頭の 「賃貸派vs持ち家派」 の調査では、一生賃貸派の世帯年収は753万円なのに、厚生労働省の調査では平均551万円となっており、どうして200万円もの差があるのでしょうか?

これは私の推測ですが、調査結果をよく見ると 「一生賃貸派」 となっています。

つまり、一生賃貸派と名乗る人は30代前半ではなく、40代中頃の人ではないでしょうか。

 

話を元に戻しましょう。 

つぎの調査結果をご覧ください。アットホームさんの調査です。

 

 

 

アットホームさんの調査によると、 「現在の月額収入に対して、理想だと思う家賃を聞き、月額収入に対する割合を算出したところ、

全体での平均は29.4%となり、実際に支払っている家賃の割合の34.7%に対し、5.3ポイントの差があることが明らかとなりました。」

つまり、家賃は月収の30%に抑えたいけど、実際は35%払っているということですね。

 

では月額手取り収入はどれくらいでしょうか。

年収551万円というのは税込みですから、手取りは概ね450万円ほどになります。

(カップルの1人が年収300万円、もう1人が251万円と仮定。手取り額は控除などによって変わります)

夏と冬のボーナスの合計が3ヶ月分だとすると、月額手取りは30万円になりますね。

月額手取り額30万円の35%を家賃として払うわけですから、10万5千円程度という数字が浮かび上がってきます。

この数字は大切なので覚えておいてください。

 

 

家賃はやや高めに設定すべき


 

さきほど、家賃相場としてベースになる数字は10万5千円だと言いましたが、もちろん立地 (人気のある街、駅からの距離など) によって

大いに変わりますので、細かな調査が必要です。

ただひとつ言えるのは、地域の平均家賃よりやや高めの家賃設定をすべきだということです。

つまり、 「やや上の層を狙え」 ということです。

その理由は2つあります。

 

理由 1 : やや上の層の入は、納得すれば付加価値に対してお金を払ってくれるからです。

             大手が無尽蔵につくるありきたりのマンションと差別化するには、どうしてもある程度の建築費がかかります。

             (陳腐化しない付加価値のつけ方は、家賃が下落しないマンションのつくり方でお話します)

 

理由 2 : 多少高めの家賃を設定したほうが、マナーの良い入居者が集まる傾向があるからです。

             私の経験ではそれは傾向というより、ほぼ確実にそうなります。

             マナーが良いとは、家賃滞納がない、夜中に騒がない、駐輪場を散らかさない、ゴミは指定日に出すなどです。

             つまり問題を起こさないということです。

 

マンション経営はもともと薄利ですので、問題を起こさない入居者を集めることは最も大切なことと言えます。

マナーの良い入居者を集めるには、ただ単に家賃を高くすれば良いのではないのは言うまでもありません。

高い家賃を払う能力のある人は目が肥えていますので、目に叶うものを提供しないと始まりません。

 

 

まとめ


賃貸マンションの入居者象について整理すると、つぎのようになります。

 

1.所得が低い人が賃貸マンションに住む、という思い込みは大間違い!

2.将来が決まるまでの間、賃貸マンションに住むのだ

3.年齢層でいうと、30代後半まで

4.そこそこ稼いでいる人をターゲットにする

5.細部まで充実した間取りとデザインに

6.家賃はその地域の相場より、やや高めに設定する

7.そうすることで、経営者も入居者も幸せになる

 

 

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