サイドビジネスは3室で

 

私が民泊を実践している理由


理由は2つあります。

ひとつは、ホテルや旅館の設計を依頼してくださるお客様に、確実に儲かるノウハウを提供するためです。

もうひとつは、民泊で得た利益を本業 (設計事務所) の経費に当て、スタッフ雇用環境を良くするとともに、

建築家としてやり甲斐のある仕事に特化するためです。

実際、弊社のビルをデザイナーズホテルに改装してからの売上はマンション時代の約3倍に、経費を覗いた利益は2倍になりました。

そのお金で設計事務所の経費のほとんどを賄っています。

 

 

民泊がだめになったらどうする?


民泊がだめになったらどうするの?」  という問に対しての答えはこうです。

「ご心配いただいてありがとうございます。でもダメになりません。

なぜなら私は大手ホテル業者には絶対に参入できない領域で勝負しているからです」

詳しくは、繁盛する民泊の条件の [繁盛策Z] をご覧ください。

 

実はこのやり方は私の本業、Mac建築デザイン研究所の経営方針と同じなのです。

私は無名です。  しかも特に営業活動はしておりません。

ところが、名だたるハウスメーカーの提案に飽き足らない建築主からの依頼が舞い込みます。

その理由を考えてみました。

大手ハウスメーカーは大量に受注する必要があるため、デザインや住まい心地などを判断する能力がない人をも顧客にしなければなりません。そのため彼らの作る家はどうしても、可もなく不可もない家になってしまいます。

言い換えると 「個性がなく欠点ものない家」 です。

 

そんな家を大量に売るために大手ハウスメーカーは膨大な宣伝費を投入します。

彼らはトップスターを起用して良いイメージを刷り込む、いわゆる布教運動を行います。

しかし、賢者 (物の良し悪しを判断できる人) には通用しません。

賢者の知識や感性はハウスメーカーの営業マンより遥かに上なので、営業マンは尻尾を丸めて逃げ帰るしかありません。

実際、 私に企画設計を依頼なさる方は、大手ハウスメーカーや建設会社の営業が発掘し、耕してくれた賢者たちです。

 

話が長くなりましたが、要するに、

「ありきたりなホテルをつくると、値下げ競争で大手に負けるので、こだわりが強い少数の顧客をねらったデザイナーズホテルを創りましょう

というお話です。

 

 

サイドビジネスは3室くらいがちょうどよい


私のビルは5階建てで、1階を事務所、5階を自宅にしています。

職住一体の自営業者のサイドビジネスとして民泊経営は打ってつけです。

というのは民泊運営は大した用事はないけど、ちょっとした用事がいつあるかわからないからです。

ゲストが到着した時 ”Nice to meet you!” といって握手すると一気に距離が縮まります。

「近くに美味しくて安い日本食レストランがあるよ」 と案内してあげるととても喜んでくれます。

そして鍵の開け方、 お部屋の使い方を説明します。

 

私は空っぽのバスタブに入りこんで温泉で恍惚としている表情をつくって、 ”Foo~ This is a Japanese style buth. Please try it!”

とやるとたいていオオウケします。

さらに 「私の事務所は1階。 私の家は5階。 用事があったらいつでもメールください」 と伝えると安心してくれます。

心が打ち解けてくると 「私はサンフランシスコからきました」 と自己紹介してくれたりします。

私はすかさず、    ♫♪ I Left My heart in San Francisco~♫♪    とトニー・ベネットになりきります。

 

私の本業は建築家ですので、ある程度重みのある言動を心がけていますが、実はアホなことを言ってウケたとき最も生き甲斐を感ます。

おかげさまでとても楽しい時間を過ごさせていただいてます。   こうしてほんの15分ほどで新しい友だちが誕生するのです。

世界が広がり、ワクワクする楽しい時間です。  本業の気分転換にも最適です。

 

でも仮に10室もあったら、つぎから次へとゲストが事務所を覗いてくれるので本業のじゃまになるでしょう・・・

だからサイドビジネスとしては3室くらいがちょうど良いのです。

逆に1室だと経費倒れになってしまいます。

 

 

シルバーさんフル活用


民泊の運営にシルバー人材センターの活用は欠かせません。

何が有り難いかというと、人材センターのほうで責任を持ってシフトを組んでくれることです。

もし、来るはずのスタッフが来なかった日には民泊はパニックです。

そこはシルバー人材センターがしっかりやってくれるので、一度も事故は起こっていません。

しかも、安い。   シルバーさんの人格審査、シフト管理料も含めて時給は¥1000です。

 

そのかわり、お世話になる私達も謙虚な気持ちで取り組まねばなりません。

まずはシルバーさんに感謝です。  人生の先輩が私達のお手伝いをしてくださるのです。

心身ともに働きやすい環境をつくることを心がけましょう。

お部屋の掃除でいちばん重労働なのはシーツ交換です。

たいていのホテルでは、大きくて重いマットレスをシーツで包み込んで、下部にピシーっと織り込んでありますよね。

あれはメイドさん泣かせです。  若い人でもすぐに腰痛になるでしょう。

ですから私は、畳ベッドの上に薄くて軽いマット(西川製ムアツマット)を採用しています。

これならシルバーさんでも軽々とシーツ交換できます。

ベッドの場合は、部厚いマットレスの上に薄いマットを敷いて、薄いマットのシーツ交換をすれば良いと思います。

 

ちなみに、私は3つのお部屋を運営していますが、シルバーさんは11時~15時の4時間勤務が基本です。

お部屋の掃除とリネンの洗濯、さらに階段と屋上ガーデンの掃除、花の水やりや植え替えをお願いしています。

3つのお部屋のゲストが同日に入れ替わる日は17時頃までがんばってくださいます。

そのかわり、空室や連泊の日は13時頃に上がってもらいます。

私のホテルはシティホテルと同様に、連泊の場合でもお部屋の掃除とタオル交換を行います。

「お部屋掃除不要」 の印がドアに掛かっているゲストにはタオル交換だけ行います。

そして暇な日に階段や屋上ガーデンのお掃除をしてもらうようにお願いしています。

今日は何をするかはシルバーさんに自己判断してもらっています。

これで1日¥4.000ですから、 1室あたり1300円ほどで掃除もリネン交換もできるわけで、正直いって格安です。

 

「人の心は鏡」 といいます。

人生の先輩であるシルバーさんに感謝の気持ちで接しているうちに、彼女らもホテルに愛情を持ってくれるようになりました。

予約がない日は寂しい顔をで心配してくれます。  予約がたくさんはいると 「よかったですねぇ~」 と喜んでくれます。

 

わたしは民泊経営をはじめて、本当に良かったと思います。

ゲストとの一期一会も嬉しいですが、ホテルスタッフとしてのシルバーさんと出会い、互いに協力しあい、そして仲間となる喜びを頂きました。

 

 

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